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中盤は無意味で面白い!? 最高峰のパフォーマンスで盛り上げる!

中盤。画面がライブ映像から、テレビ画面のような映像に切り替わる。このライヴ用に作った映像をダイレクトに配信しているようだ。物語が始まる。「バベルの塔」を引用した序章。安岡らしい、海外文学の流れを感じる短い物語。バックには絵本のようなバベルの塔。文字と一緒に、言葉の響きが流れていく。会場ではおそらくスクリーンに同じ映像が流れているのだろう。映像は、ドキュメンタリー風な演出へ。質問が出て、消えた瞬間に、画面はステージ上に切り替わった。スツールに1人腰かけているのは、俳優・田中聡元氏。




田中氏による1人芝居。彼が質問に答えていく形で、ストーリーは展開していく。彼は、とあるアイドルのマネージャー。ずっと本物のアイドルを探していた。「そしたら、出逢っちゃったんですよ、地球外生命体に?」という台詞から、ミラーボール星から来たという兄弟デュオTHE☆FUNKSのステージへ。


7曲目「パンツ☆メリハリ」では、歌いながら、ひたすら衣装の上から下着パンツを履き続け、その後脱いでいくという、無意味で面白いという意味では最高峰のパフォーマンスで空間と映像を盛り上げる。会場は心の中で阿鼻叫喚(想像)、コメント欄には爆笑の絵文字が溢れた。リアルで配信していいのか、そのギリギリにチャレンジしたこのカオスをまとめたのは、安岡 優にそっくりと言われる兄のドリー・D(ダイヤ☆モンド)・ファンク・ジュニアだった。




特筆すべきはステージ構成の絶妙さ


「画面で観ている、パンツのちびっ子、いつもお母さんにパンツを畳んでもらってないかい? 自分のパンツは自分で畳もう! 上手に畳めているのか? 地球人!」と叫び、一気にお茶の間まで降りて来たTHE☆FUNKS。カメラ目線で地球人に挑んだ2人に、カメラマンは、がちょーん(古くてごめんなさい!)のように、前後にびよーんびよーんと動かすカメラワークで、ステージ上の、はっちゃけぶりをしっかり伝えた。再び芝居へとステージは展開。ステージ上に、汗びっしょりで戻って来た安岡 優。


ステージに残っていたテリー・D・ファンク(弟の方)と、新曲「Romance Novel」を披露。ピュアなメロディーと優しい歌声が印象に残るミディアムバラードだ。サビのファルセットも繊細で爽やかで、夏の終わりを彩るに相応しい1曲であった。「恒例の1曲で楽しくお別れしましょう」と「ちょっとだけ☆ナラバイ」へ。<じゃあね じゃあね 大好きだよ>というワンフレーズでは、“大好きだよ”に合わせ、カメラ目線で笑顔を見せた安岡 優。その直後、会場の観客に向かって大きく手を振り、1人ずつに視線を合わせるように、ゆっくりと会場を見回した。「それではまた来年も元気でお逢いしましょう。ゴスペラーズ、安岡 優でした」と挨拶し、安岡 優はステージを後にした。




この日のライブ配信の中でも、特筆すべきは、制作映像とステージの映像との切り替えのタイミングである。これまでも、同様のチャレンジをしたライブ配信を何回か鑑賞したことがあるが、どうしても“間”が感じられ、配信画面を観ていると素に戻ってしまう感覚があった。しかし、この日のライヴにはそれが無かった。入念な下準備やリハーサルはもちろん、バンドメンバー、スタッフらを含め、この日のライブ配信に関わった全員が、ライヴの流れと意図を理解していなければ成立しないタイミングだったと思う。このタイミングの妙だけでも、配信ライブという新たな形のエンターティンメントの次の1歩のヒントになるのではなかろうか。

アーカイブでその“瞬間”を是非体験してみて欲しい。あ、あと無意味な面白エンターティンメントの最高峰も、ただただ笑えます。




Text:伊藤亜希 Photo:市橋照子


安岡 優 ソロライヴ 2020 “お兄さんと一生!?”アーカイブ配信

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